日本の誇る最強牝馬軍団がドバイへ参戦。
必然的に興味はそちらにそそられなくもないが、国内では春のスプリント王決定戦を迎える。
短距離戦戦は中心馬不在の混戦模様がずっと続いているが、それゆえに馬券的な旨味がある。
今回の舞台の中京1200mは内枠先行馬に断然有利なはずが、何故か意外と差しも決まる。
有利であることがわかっている事が招くハイペースが原因ともいえ、G1レースともなればその傾向に拍車がかかる。
ただ、今年のメンバーは絶対的ハナを主張する馬が少なく、そこまでペースが上がるかどうか。
逆にこれだけ馬場が荒れてくると軽いスピード系先行馬には厳しいともいえ、展開予想は困難を極める。
いずれにせよペースと力勝負への対応の読みがカギとなりそう。
本命にはエーシンフォワード。
ベストが1400mであることは誰が見ても明らかではあるが、今の荒れた中京コースなら、このくらいの距離をこなしてくれる方が心強い。
実績十分とは言えないが、曲がりなりにもレッドスパーダに及ばずながら接戦を演じてきた器、その地力はここでヒケをとるとは思えない。
問題は1200mの早い流れでどれだけの末脚を出せるかによるが、うまく先行勢が喧嘩してくれれば、かなりレースはやりやすくなるはず。
極端すぎない中団待機からの差し脚質も好感。
前走の再現を期待する。
7歳にして重賞3連勝。ここにきて再び勢いにのるキンシャサノキセキ。
成長したのは主に気性面。折り合いがつくようになってきて、どのような展開でも安心してみていられるレースぶり。
1番人気なのは、やや気にくわないもののそれも仕方のない実績と言えよう。
調教過程は軽く流しただけとはいえ、順調そのもの。
大敗もある馬だが、今回大崩れすることは少し想像しがたい。
やはり連軸としては最も安心感がある。
スプリント適性を問うなら、エイシンタイガー。
まさに1200専科のスプリンター。
前走は大敗だが、最近珍しいほどのスローペースで外を回っての後方差しではさすがに困難で、度外視してもよい内容だろう。
平坦コースの1200m戦なら、自信の持てるベストロケーション。
この大舞台で好走できれば、それはより揺るぎないものになるだろう。
4歳馬だけに成長の余地がある分、楽しみも大きい。
サンカルロも同様に勢いある4歳馬。
1200mは初経験になり、その点が不安点でもあり、期待感も沸くところ。
母系から短距離は問題ないと思われ、気性的にも早い流れが向くはず。
となれば1400mでのここ2戦の重賞での好走は重みを増してくる。
うまく馬群を捌ければ、台頭してきそうな怖い一頭。
ほぼ追い込みに近いレースをするプレミアムボックス。
毎度のその強襲に肝を冷やされたライバル馬は多い。
直線短い中京コースでは必然まくっていかねばならず、いかにコーナーをスムーズにこなせるかがポイント。
とにかく、ハマれば頭まである一発タイプだけに必ず押さえておきたい。
アルティマトゥーレは人気ほどには評価しなかった。
地力筆頭であることは否定しないが、京阪杯での大敗が説明がつかない。
今回このレースに似た展開になりそうで、ハイペースに巻き込まれないか不安が残る。
ただ、スプリンターズSでは僅差の5着。
展開気にせず、先行して行ききるだけという脚質は騎手にとっては非常に乗りやすい。
過去の勝ち馬、ローレルゲレイロやショウナンカンプのように先行あっさりの場面も十分にありえる。
短距離での安定感は特筆もののショウナンカザン。
父ショウナンカンプはこのレースの勝ち馬で、スプリントでは近年最強クラスに位置するだろう。
1200m戦は滅法得意で、重馬場はからっきしというその特性をよく引き継いでいるだけに想像もしやすい。
前走の大敗は重馬場だけでなく、競馬そのものをやめたフシがあったので心配したがひとまず気にするほどでもなかったよう。
勝ちきるまでのインパクトはないが連下にはしっかり入ってきそうな堅実味を買いたい。
ビービーガルダンは取捨が難しい。
前走は期待はずれもいいとこだが、自分のレースはできていたし、休養明けという言い訳もある。
折り合いつけば、早い流れを先行して34秒台の脚でフィニッシュできるだけに、当日のパドック気配のチェックは必須だろう。
ただいかんせん勝ち味に遅く、不利があったとはいえ昨年の大敗を見せつけられては、あまり強気にはいけないところ。
他、印こそつけないが、トウショウカレッジ、ピサノパテックの8歳、追い込みコンビも穴で一考。
【馬券と総評】
基本差し馬が中心と見た予想。
中京1200mのG1というハイペースを見越してのものであるが、スローペースで行った行ったの展開に終わったシルクロードSの人気の偏りの裏を取りたい。
特に今の中京コースなら、差し決着は十分にあり得るとみる。
そういう意味では、人気を背負うアルティマトゥーレやビービーガルダンよりも、トウショウカレッジ、ピサノパテックの方を重く取るかもしれないが、一応地力・実績も考慮にいれた。
男らしく先行馬は全部切るのも戦略としては間違ってないだろう。
当日の気配や馬場次第の側面も多分にあるが、一応ここではエーシンフォワードとキンシャサノキセキの3連単2頭軸マルチ流しを推奨する。
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