予想本文
昨年暮れの阪神JFが関東馬のワンツー。
「牝馬は関西馬」という定説を覆す結果で、トライアルを経た後もその勢力図は大きく変わらなかった。
ここも大挙して関東馬が参戦し、長らく続いた冬の時代を打ち砕くべく主力を形成。
この傾向はおそらく近年の牝馬の活躍と同様の理由で、輸送や体調管理の技術向上が考えられる。
今は世界で戦う時代。気難しい3歳牝馬ではあるが関東や関西という違いはもはやないのかもしれない。
それでも本命には関西馬、ラナンキュラス。
馬混み苦手なこの馬にとって、外枠は歓迎材料。
昨年暮れはどうにも馬体が細く、ひ弱な感が否めなかった。
しかし、敗れたとはいえ、前走では随分しっかりしてきた印象があった。
今の状態で十分に調教を積んだ叩き2走目の今回、これだけの良血馬が人気的にもおいしい存在になる。
父スペシャルウィークもこのレースでは結果を出していることも強み。
対抗にはやはり安定感でこのメンバーでは頭一つ抜けているアパパネ。
前走の敗戦は重馬場だったことを考えると、上々の結果。
むしろしっかりと連を確保したところに凄みを感じる。
世代チャンプの貫禄も十分で、大崩れない競馬が期待できそう。
関東馬ではあるが、阪神JFの時と同じく、早くから栗東入りして体制を整えており、ほとんど関西馬といっていいほど。
力は出せる状態にある。
本命にしようかと思ったほど前走が強かったオウケンサクラ。
先行してあれだけの脚が使えるのはこのレースでは大きな武器となる。
それほどペースも早くならないため、前で競馬して早め抜け出せれば、前走の再現は可能だろう。
問題はやはり、権利取りのための強行軍。
タフな馬とのことだが、短い期間での3連戦がどう出るかには一抹の不安。
また、名手とはいえ、騎手の手替わりもやや気に掛かる。
あまりそういう印象はないのだが、アニメイトバイオは未だ連を外していない堅実派。
中にはG1を含め、レベルの高いレースだけに一定の信頼は置ける。
前走は案外な結果だったが、休養明けで馬体も緩んでいた。
今回絞れてくれば、順調度的にも申し分なく、怖い存在になる。
早い流れでも持続力ある末脚を発揮でき、特に阪神JFでアパパネに再度差し替えそうと迫った状態にまで戻れば好勝負必至。
アプリコットフィズは気性面で懸念が残る。
だが、前走クイーンCはかなりのハイレベルのレースで、そこでの完勝の1着は相当に重みがある。
ただ、馬体的にはギリギリで、当日馬体重が減っているようなら、黄信号かも。
本来もっと印を重くしてもいいのだが、特に鞍上人気で現時点で2番人気となると、ここはヒモまでに留めたいところ。
コスモネモシンは現時点では実績やや劣るも先に期待がもてそうなタイプ。
父ゼンノロブロイ、母父シングスピールという血統はなかなか奥深そうで、距離が伸びてよくなりそう。
勝負強いという印象が強く、スタミナを要求される近年の桜花賞なら、ここで先物買いしておくのも悪くない。
マイル戦2敗、阪神も3敗と強調材料に欠けるタガノエリザベートだが、内容はそれほど悪くはない。
追い込み一手は阪神外回り1600mではやはり怖い。
今回の本命ラナンキュラスをあっという間に差しきったファンタジーSを思うと、前走長い距離を経てここで変わり身があっても驚けない。
シンメイフジもまだ見限れぬ。
とんでもないタイムを叩き出した新潟2歳S以降、敗戦続きだが、前々走はぶっつけでのG1で出遅れ、前走はやや掛かり気味での逃げ潰れ。
それなりに言い訳はある状態で、今回で真価が問われることになる。
人気薄でエルフィンSを勝ち、続くチューリップ賞も重馬場ながら34秒台の末脚を使ったエーシンリターンズも少々。
【馬券と総評】
安定感でアパパネが抜けているが、粒ぞろいの好メンバーが揃った今回の桜花賞。
例年と異なり、関東馬が多いせいか、どうも一筋縄ではいかない雰囲気もある。
拍車をかけているのが、実力馬が揃ったとはいえいわゆる堅実派が多く、パンチに欠けるメンバー構成。
冒頭で輸送と体調管理の技術向上を述べたが、若い牝馬だけに当日の馬体重やパドックでのチェックは重要視したい。
すんなりと人気どころでまとまる公算も高いが、ここでは少し冒険してラナンキュラスに白羽の矢を立てる。各馬実力伯仲で、BOX馬券を推奨したいところではあるが、相手が多く玉砕覚悟の割り切りも必要だろう。
大きな勝負は控え、ラナンキュラスとアパパネの3連単2頭軸マルチを推奨馬券に。
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