予想本文
ここにくるまでの前哨戦が波乱の連続。大きく勢力図がかわった。
そこに地方で勝利してきた馬、中央の芝から路線変更の馬が加わり、さらに比較的に人気薄の馬を名手が駆るという予想の立てようがない大混戦のレース。
正直、強気になれないレースで、大勝負は避けた方がよさそう。
最も勝利が近いというわけではないが、最も信頼できるという意味でシーキングザベストを中心に据える。東京の1600mというと、守備範囲ギリギリの感はあるが、中央を中心に走り続け、ダート8勝2着7回という成績は抜群の安定感。特に東京コースにも不安はなく、決して武蔵野Sのようにはいかないだろうが、トータルバランスが高次元で安定している点を評価したい。
安定感という点なら同じくシーキングザダイヤ。例によってなかなか勝ちきれないが、地方より、東京G1の方が向きそうで、前走の東京大賞典はそれほど気になる材料ではない。過去2年連続でこのレース2着の実績で3度目の正直を狙う。年齢的にも大きな上積みはないが、このメンバーならまだまだ威張れる存在。今回は比較的後方待機馬が多く、前、前で競馬ができるのも有利に働く可能性がある。
上記2頭とは異なり、地力は上位ながらも不安定さが残るのはサンライズバッカス。出遅れ癖と折り合い難を持ち、昨年はまともにレースができていないことが多かった。まだまだこの馬らしい強さを発揮できてはいないが、どうにか形にはなってきた。前走一叩きした今の状態で東京の1600mなら、期待が持てそう。ただ上がりのタイムには限界のあるタイプ。後方からの競馬になると苦しいか。
期待の新星という点ではメイショウトウコン。前走だけでの判断は危険を伴うが、それでも前走のレースぶりは秀逸。スローペースであったとはいえ、最後方からとんでもない上がりタイムでまとめて差しきった。他の有力馬はここまでの切れ味をみせていない。それゆえ前走と同じ走りができるなら圧勝もありえる。だが、初の東京コースと、全体のペースが上がるG1の厳しい流れとなると不安も付きまとう。当日は馬場も渋化傾向これが有利に働くかどうかは微妙ではあるが、長い直線を利しての突っ込みはいずれにせよ脅威。
東京コースなら、前走だけで見限れないフィールドルージュ。この馬は厳しい流れでしぶとさを生かすのが身上。前走のような瞬発力を競う展開は向いていない。上記シーキングザベスト、サンライズバッカスと互角のレースを続けた馬だけに、見限るのは早計。
もっと圧倒的な人気になるかと思われたブルーコンコルドだが、やはり中央での成績が嫌われ若干人気を落としている感。地方での実績は昨年はほぼ負け無しではあった。決して地方レースが劣っていると言うわけでなく、地方と中央では競馬の質そのものが異なる。速い流れと広く長い直線でも同様の末脚を披露できるかが、カギとなるが、今の調子ならその不安は拭える。ただ鞍上の調子が今年はもうひとつ。その辺りの不安感が先に立ち、この評価に留めた。
前走平安Sで注目を集めたタガノサイクロンだったが、底を見せてしまった印象が強く、ここで大きく人気を落とした。ただ、前走は少なからず不利もあり、成長途上の4歳馬。勢いは止まったが、同時にクラス慣れも見込め、前走だけで判断はしがたい。人気の面を考慮すると押さえの一手は必要と見る。
フェブラリーSといえばペリエ騎手。この鞍上が駆るメイショウバトラーも無視ができない。前走は園田で出遅れ、JCダートでは距離と考えるとそれほど力が劣った馬ではなく、激走は十分ありうる背景。
【馬券と総評】
奇しくもシーキング2頭が本命、対抗になったが、上位陣はほぼ互角。加えて比較材料も乏しく的中はほぼ諦めた方がいいくらいの大混戦。大勝負には出にくい背景があり、あまり手広くいきすぎると火傷してしまう。やはりボックス馬券よりも、軸を据えての全流しくらいの買い方が適当か。
予想本文では挙げ切れなかったが、地方の雄、アジュディミツオー、ビックグラス、リミットレスビット、オレハマッテルゼらも圏内と言え、馬連ながしなら、これらの馬も含めたい。3連単はそうはいかないので、2頭軸マルチながしなら絞り込みが必要。資金に余裕があるなら、2着馬にもう一点加えてもよいし、1頭軸のフォーメーションや、1着ながしもおもしろいだろう。
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