予想本文
競走馬にとって一生に一度の競馬の祭典、日本ダービー。
サンデーサイレンスが不在になってから、その血を受け継ぐマル父馬の躍進がめざましい。
このダービーでも、見渡せばジャングルポケット、アグネスタキオン、タニノギムレット…と近年のダービーの有力馬たちを父に持つ仔が並ぶ。
決して見ることのできなかった世代間での代理対決は競馬ファンの心を躍らせる。
そのダービーの前走、皐月賞では本命馬の仕掛け遅れで、大波乱の結果。
それまで安定した成績を残してきた馬がことごとく大敗。
決して力負けとはいえない面もあるが、暗雲が漂ったことも確か。
それに別路線組が加わり、混戦模様に拍車をかける。
圧倒的人気が予想されるが、それでもフサイチホウオーの軸は不動。
前走は中山2000mで後方からという厳しいレースだったが、それでも勝ち馬にハナ差まで追い詰めるという結果。
それまで無敗とはいえ、接戦の内容から懐疑的だった者の目も覚まさせた。
今度はレースのしやすい東京コース。2度の失敗は許されないところ。
アドマイヤオーラは不可解な鞍上の乗り替わり。
まさか当代一の騎手が変えられるというのだから、勝負の世界は厳しい。
ただ、それだけに前走は不完全燃焼だったとも言える。
収穫といえば、本命馬より後ろでは届かないということがわかったということくらいか。
その辺りをプレッシャーのかかる代役となった岩田騎手がどう汲むか。別の意味でも注目となる。
別路線組に食指が動かなかったわけではないが、やはり皐月賞戦前の力関係を信頼したい。
思わぬ大敗を喫したナムラマースだが、前走の展開では武器である息の長い末脚は活かせなかった。
東京コースにかわってその点に期待がかかる。
だが、前走はそれでももう少しやれたはずの面もあり、過信は禁物。
前走より前の競馬が必須条件にはなるが、もつれれば面白い存在。
波乱の皐月賞を制したヴィクトリー。
調教過程の不安がなければもっと人気もしたであろう実力馬で、その勝利に何の疑問もない。
前走に展開利があったことは事実だが、だからといって今回無視できる存在ではない。
東京コース、他馬のマークと、厳しい材料があることは否めない。
それでもやはり前走同様、逃げ馬は不在で、さらに本来逃げにこだわる馬でもない。
また距離の延長は望むところだけに、前々で競馬ができれば今回もチャンスは十分。
ビワハイジ以来の牝馬のダービー挑戦となったウォッカ。その意気やよし。
今年の牝馬のレベルは高く、事実今年のNHKマイルCはピンクカメオが制した。
この時期の牡牝の差はわずか。斤量の恩恵も踏まえれば、ここでも十分通用の下地。
問題はやはり距離。
オークスでも不安になるこの問題は「切れ」で勝負する牝馬にとってはやはり大きな壁となる。
別路線組ではヒラボクロイヤルが注目を集める。
前走青葉賞では東京コースを活かした見事な直線一気。
近走の充実ぶりは目覚ましく、ステイヤー的要素を感じさせる戦績。
好走条件は揃っているが、前走の上がりではまだこのレースでは一歩足りない。
ナムラマースに完封された毎日杯からも、この評価どまりとした。
前走はかなりの不利があったと思われるドリームジャーニーも警戒は必要か。
距離に不安はあるが、末脚の安定感はいうまでもない。
同様にフライングアップルも前走だけでは見限れない。
過去有力馬と凌ぎを削って安定した成績を残しているだけに3連単の対象範囲には入ってくる。
【馬券と総評】
人気でもフサイチホウオーが中心。
前走で見せた凄みは今回大きな追い風となる。
ただ、それ以下は混戦模様と言わざるを得ない。
実力的にはアドマイヤオーラが一歩抜けている感がある。
馬連なら、フサイチホウオーから手広くで問題はなさそうだが、3連単は難しい。
ここは決め打ちで、フサイチホウオーの1、2着ながしか、フサイチが頭のアドマイヤとの1−2着ながし、1−3着ながしが妥当。
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