■　第135回　天皇賞（春）　結果

　いまひとつ自身がもてないため、印を譲ったメイショウサムソンがハナ、クビ差を制して栄冠を手にしました。
終始、前、前の競馬で、自ら動いて制しただけに価値ある勝利。
やはり格を問われるレースというだけあってG1実績馬は強い。
見事な勝利でした。

　波乱を演出したのは、忘れていた感もあった福永騎手が駆るエリモエクスパイア。
折り合いに難があるだけに、この距離では難しいと踏んでいましたが、鞍上が見事に折り合いをつけ、あわやのシーンを作りあげました。

　トウカイトリックも絶好の仕上がりを利して、自分の競馬はしっかりとできました。
何より、アイホッパーに先着というのは想像ないと思っていただけに健闘です。
そのアイホッパーですが、どうも安藤騎手とは相性が悪いのか、今回も不完全燃焼の結果。
意外にもスローペースになったなか、ましては開幕直後で先行馬の残る京都コースであの位置取りではさすがに苦しい。 3着圏内は最も信頼できると予想していただけに非常に残念な結果です。直前の手替わりは吉とはなりませんでした。

　■　第135回　天皇賞（春）　予想

　ドリームパスポートの離脱で、とてもG1と呼ぶにはいささか疑問の残るメンバーになった。
従来は古馬王道G1戦線を戦ったメンバーにステイヤー重賞組が挑むという構図だったが、今年に限っては、ほぼステイヤーの重賞常連組の構成。例年の傾向はあまり意味がないだろう。
とはいえ、各路線での勝ち馬が揃っており、馬券的にもレースとしては面白い一戦。

　押し出されぎみの感はあるが、やはりアイホッパーが最も信頼に足る。
長距離重賞では筆頭格クラスといってよく、G1でも昨年のこのレースの４着と好走例がある。
自在性もあり、どのようなレース展開になろうとも不安点は少ない。

　期待も込めてこのメンバーなら、メイショウサムソンになんとかしてほしい。
菊花賞の敗北後、距離不安がささやかれ、この舞台でも主役にはなりきれていない面がある。
それでも昨年JC、有馬記念と一定の成績を残した。
　 距離については血統的にはこなせないわけではなく、どちらかといえば気性的な部分に依存する点が大きい。苦しがって敗れた菊花賞でも、あれだけのハイペースでは言い訳もきく。
ただ、心配なのは切れる脚がない点。とくにこのレースはスローから直線の一気の瞬発力が問われるレースだけに、上がりの時計に限界のあるこのタイプの馬には、決して向くレースとは言えないところ。

　ファストタテヤマに敗れたとはいえ、ダークメッセージの前走には成長を感じた。長距離はお手の物で、父の特性をよく引き継いでいる印象。この大一番で思わぬステイヤー適性が発揮されそう。これといった主役がいないこのレースではやはり新星登場を期待したい。実績はないが、この舞台でどこまで通用するかは楽しみ。

　G1ではモロさをみせるトウカイトリックではあるが、やはり長距離での切れる脚は大きな武器。
阪神大賞典でもアイホッパー、ドリームパスポートを追い詰めた。ここのところは自分の競馬はしっかりできており、好勝負が期待できる。

　デルタブルースが人気。その要因のよりどころが菊花賞馬という点だが、当時のレースレベルを考慮すると人気ほど強くは推せない。それでも前走で形をみせての今回の叩き２走目。信頼できる鞍上という点がある上に、過去ヒシミラクルがそうであったように確かに菊花賞馬の関連性は非常に高く、無視はできない。

　日経賞で人気に応えられなかったがマツリダゴッホも充実一途。中長距離で充実ぶりを発揮。この舞台では、さらにもうひと皮むける必要があるが、そう大崩れも想像し難い。ただ、3200ｍまで距離が伸びると距離に一抹の不安は残る。

印はつけないが、アドマイヤタイトル、ネヴァブション、トウカイエリートらも圏内。

【馬券と総評】
重賞常勝組とG1敗北組に加え、新旧対決も加わり、力の優劣の計りにくいという意外に予想が難しい一戦。やはり阪神大賞典組が主力形成という情勢ではあるが、どの馬にも一発は期待できる状況。人気を考えれば、既成勢力よりも明け4歳馬に食指が動く。
それでも馬券的には信用できるのはアイホッパー。中心は動かしがたい。馬連はここから手広くいきたい。難しいのは3連単。手広くいこうとするなら、軸は1頭では不足。アイホッパーの相手としては2、3頭用意したい