予想本文
従来は数あるG1の中でも、もっとも格を要求される王道中の王道のレース天皇賞・春。
しかし、あまりのロングディスタンスのため、ステイヤー不在の昨今では回避する馬もみられるようになってきた。
特に昨年〜今年は牝馬が主役だったため一層その傾向は強く、今年の天皇賞は重賞級のレースと言われても仕方ない構成になった。
従来は「格」が問われるレースではあるが、今年に限ってはそもそも問われる「格」がない。
思わぬ馬による波乱の可能性も多分にあり得る。
ただ、長距離レースが荒れるパターンは、予想以上にハイペースになりスタミナレースになった場合。
スローペース必至の今回はやはり上がりの勝負が濃厚で一応、力通りに決まる公算は高い。
つまりは単純に地力の見極めがポイントとなりそう。
天皇賞というG1を勝利する「格」のある馬は、私は今回2頭だけしかいないと勝手に独断している。
そのうちの1頭がフォゲッタブル。
単純に血統的な背景もそうだが、クラシックディスタンスを中心に大レースで順調に好走できていることが大きなポイント。
3歳秋口から花開き、菊花賞、有馬記念の好走はここで勝利するにふさわしいローテーション。
過去の傾向からも菊花賞、もしくは有馬記念を経た明け4歳馬が、連動するのは周知の通り。
ただ、通常は菊花賞馬の話で、この馬は菊花賞は2着。
あくまでも比較的楽なこのメンバーだからという点はある。
後、なにぶん、後ろから差す馬なので、スローペースで前も止まらないことも若干憂慮しておく必要がある。
もう1頭の勝利しそうな馬がジャガーメイル。
本来ならとうにG1を勝っていてもおかしくない馬。
逆に言うと、玄人受けするタイプの馬で、昨年は圧倒的1人気ながら、京都大賞典、アルゼンチン共和国杯を連敗。
もうダメかと思わせたところで、立て直しの京都記念では、有馬記念の1、2着馬に割って入る好走。
昨年もこのレース5着で、一応のこのレースへの対応下地は見せており、加えて昨年より順調度は遙かに上。
本命馬に印を譲ったのは、ムラ駆けがあることと、名手とはいえ、騎手の手替わり。
長距離は騎手で買えと言われるように、騎手の力量のウェイトが高い。
世界的な名手とはいえ、日本の3200mをいきなり御せるものなのかと一抹の不安が残った。
ジャミールはスローの長距離レースでも、絶対に揺るがない気性の安定感が信頼できる。
連軸には打ってつけで、本来なら対抗格に扱わねばならないだろう。
ただ、今年の阪神大賞典のレベルに若干疑問が残る。
だとするならば、前走以外は条件戦だったこの馬の地力はやや疑ってかかるべきか。
とはいえ、前走がそうだったように鞍上が信頼できるため、そう大きな大敗も考えにくい。
テイエムアンコールが穴っぽく、なかなか面白い存在。
父オペラハウスというステイヤー血統に加え、前走、大阪杯でグランプリホースを降し、中距離でのキレをも披露した。
鞍上も好調の浜中騎手。
G2を2着、1着と乗っているところに、距離がグンと伸びるこのレースでさらに晩成の血が開眼する可能性は十分にある。
今回唯一のG1ホースで昨年の覇者、マイネルキッツはもっと評価を高くしてもいいのだが、人気をやや嫌った感。
昨年と同じローテで、加えて相手は弱化。
折り合いには不安なく、当然地力的には最上位の存在。
ただこのレースを連覇したのは、メジロマックイーンとテイエムオペラオーのみ。
この2頭に肩を並べるかといわれると疑問も残り、外枠だったことも考慮すると押さえまでの評価が妥当か。
唯一の牝馬メイショウベルーガも大きくはヒケをとらない。
ただ、前走は3着だったとはいえ、牝馬ゆえの距離的な限界も感じたのも事実。
前々走の日経新春杯でみせた脚は凄まじく、また鞍上が変わったことによる新味が怖いため、切るまでには至らなかった。
穴の域を出ないが、トーセンクラウンも望みがないわけではない。
これもステイヤー血統を背景に持ち、近走が好調。
得てして波乱を起こすのはこのタイプ。
【馬券と総評】
とにかく、フォゲッタブルとジャガーメイル。
今回はこの2頭に注目したい。
今後、天皇賞・春が廃れてしまう懸念があるメンバー構成。
私情も交じるが、この2頭のいずれかにG1ホースになってほしいところ。
フォゲッタブルの方に安定感を感じたため、こちらを軸筆頭。
相手はもちろんジャガーメイルだが、万一を考え、ジャミール相手も持っておきたい。
というわけで、3連単フォゲッタブル-ジャガーメイルの2頭軸マルチ。
押さえで3連単フォゲッタブル-ジャミールの2頭軸マルチ。
エアシェイディや、トウカイトリックなども怖いがオッズを考えると、相手も絞りたいところ。
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