予想本文
これだけの好メンバーが揃ったのは久しぶりといっていい今年のダービー。今年のベストレースといわれるほどのハイレベルな戦いが見ることができそうで、期待は高まる。堅いといわれた皐月賞では、予想通り、実力馬が上位を占めたものの、これまでより流れが厳しくなることで、さらなる底力を見せた馬と限界を見せた馬との明暗がついてしまった。今回のレースでは距離が伸び、直線コースが長くなる。逃げ馬も不在でスローペースの背景を持ちながら、一方で短距離馬の参戦や同型差し馬が揃いすぎた背景もあり、流れはやはり速くなる要素も持つ。この展開の判断が大きく着順にも影響を与えそうで、予想はペースの判断がカギとなる。
本命には不安要素を抱えつつもマルカシェンク。この馬が骨折明けを本当に克服しているのなら、ほとんどの有力馬とは決着がついている。ここに来るまでに一叩きできたことも大きい。地力では文句なくNo.1といっていいだろう。しかし、前走の敗戦は極端なスローであったという言い訳は効くとはいえ、レースタイムは平凡以下の低レベルだった。それだけにいかなる不利があろうと、やはり勝利してほしかった。確かに上がり33秒台は秀逸ではあるが、今回も同じ様なペースなる可能性もある。出負け必至の馬だけに、順調にレースを使ってきた馬の上積みの方が大きいなら、敗戦もあり得る背景。それでも本命に推したのは、レースのしやすい東京コースという点と、人気が思ったよりも低いという狙い目的要素も加味した。
フサイチジャンクは前走の皐月賞では一番強い競馬をみせた。裏街道で勝ち上がってきた馬だけに不安視されたが、レースレベルが上がってもそれに合わせてギアを上げることができた。相手なりに走れる優れた勝負根性と、意外に競馬上手な点をもち、高いレベルでまとまりがある。安定感を望むなら、この馬が筆頭候補。
有力馬がほとんど差し馬という中、皐月賞馬メイショウサムソンは先行できる大きな強みを持つ。皐月賞は決してフロックではなく、フサイチリシャールが沈んでいく中、早め抜け出しで粘り切った競馬ぶりは一皮剥けた印象。長い直線で、マークされる立場となると、前走より厳しい競馬とはなるが、そう簡単にバテることはなく、しぶとく抵抗するだろう。むしろペースの上がるスタミナ勝負の方が向いているかもしれない。
おそらく波乱はなく、上位決着で決まるだろうこのレースで一番の穴馬になってくるのが、サクラメガワンダー。もともと追い込みに近い差し馬ながら、切れるタイプではなく、ジリジリと長い末脚を使う馬。他馬に先じて仕掛ければしぶとく伸びてくる。オッズ的にも旨味十分。
皐月賞の1番人気、アドマイヤムーンは厳しい流れで限界を見せてしまった。その点ばかりクローズアップされ、人気も落ちたが、前走に限ってはなんといっても位置取りが悪すぎた。いくらなんでも最後方からでは届かない展開。もともとレースセンス高く、自在に動けるタイプ。弱点を特徴として活かしきれば、今やダービーは大得意になった名手。逆転勝利も十分にありうる。
【馬券と総評】
実力馬が勢揃い。一瞬の躊躇が致命的となる高いレベルの攻防戦。皐月賞と同じく、順位に変動こそあれ上位陣で決まる公算は高い。展開次第だが、その展開が読み切れない状態。地力的には、ただ1頭抜けている可能性があるとして、マルカシェンクを本命。安定感ではフサイチジャンクになるだろう。この2頭を中心にした流し馬券も有効だが、今回は安全策にはなるが馬連、3連単ともボックス馬券を推奨したい。そのため、予想では点数は絞ったが、それを押さえとしての決め流しもかなり有効で、その場合はドリームパスポート、フサイチリシャール、アドマイヤメインまでは警戒が必要。それ以外はこの上位陣に食い込むことはかなり難しいだろう。
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