予想本文
まさにこの原稿を書いていた途中に、ポルトフィーノの出走取り消しが発表された。
期待の良血馬がどんなレースをするか楽しみだっただけに残念なところ。
気を取り直しての予想のやり直しをする。
阪神の外回りコースに代わってからは、波乱の要素は少なくなり、順当に差し脚のある地力馬が勝ちやすくなった。今年もおそらく人気馬の上位独占が濃厚といえそう。
ただ、有力馬の実力差は均衡しており、展開次第で大きく変わる要素もある。
一見差し有利のコース形態ではあるが、それゆえスローに陥りがちで、阪神コースは逃げ、先行馬有利の傾向も今年は特に目立っている。やはり自在性のある好位差し馬がもっとも勝利に近いといえよう。
多少の取りこぼしがあろうとも、G1含む完全連対のトールポピーは、今回人気的にはおいしいともいえる。確かに単勝狙いとなると不安も残るが、連軸としての安定感は信頼できる。
阪神コースは、G1レースでは早い時計で決着されているにも関わらず、各トライアルでは軒並みスローで、タイムがかかっている。それだけに他馬は当てにしづらい側面があるが、その点、G1でも接戦を制する力をみせたことは大きな信頼の拠り所になる。
同じ舞台のG1を制しており、休養明け初戦を順調に消化してきた以上、本命視は至極当然といえよう。
阪神JFの雪辱を期すオディール。
前走は思わぬ出遅れで、後方からの競馬を強いられたが、スローペースの中、驚異的な末脚で首位肉薄。阪神JFで1番人気だったように、昨年秋には、この春の主役と目されてきた馬。前走で得た自在性はこのレースには大きな武器となるが、反面、今回の乗り方が難しくなった側面もある。どうもクロフネ産駒はムラッ気のある産駒が目立つだけに、そのほんの僅かな不安点から、本命は譲ったが、もちろん十分勝機は見込める。
一方で単の魅力に最も溢れるのがリトルアマポーラ。
不発の末脚が持ち味で、常に34秒台の上がりを繰り出す。
ごちゃつきのあった中山での京成杯では度外視できる内容で、決して牡馬にヒケをとる内容ではなかった。持てる力は上位2頭も凌ぐといえ、今回本命にも迷ったほど。
得意といえる阪神コースではあるが、G1未経験という点と、フルゲートへの不安という点において本命視はできなかった。だが、この印が低すぎるくらいに首位とは肉薄した差と思われる。
3強がやや抜けた感があるが、毎年1頭は穴馬がまぎれてくるこのレース。
他馬にも十分チャンスはある。
ブラックエンブレムはまだ底が割れていない。
関東馬のこのレースの相性は最悪ではあるが、ここ2走は強い競馬。
早めの栗東入りでの調整にも好感。
まだ主力馬との対戦がないが、どこまでやれるか期待感はある。
前走は展開に恵まれたともいえるエアパスカルだが、この馬の勝負根性は秀逸で、それを踏まえての鞍上の好騎乗が光った。
G1では、おそらくペースは上がり、前走と同じように、トールポピーやオディールを完封できるかは難しいところではあるが、もともとは好位で競馬をする馬だけに、その点は大きな不安材料にはならず、決して軽視はできない。
常に折り合い懸念がつきまとうエイムアットビップ。
前走、思わぬ大敗を喫してしまった背景には、差し転向がうまくいかなかった点にある。切れる脚がないことは露呈してしまった以上、おそらく今度は果敢に先行するだろう。
自分の競馬ができれば地力はあるだけに警戒は必要。
3連勝中のソーマジックの勢いも連下には考慮したい。
鞍上の意のままに動けるレースセンスを評価。
混戦になればおもしろい存在になる。
後は穴中の穴でシャランジュを挙げておく。
追い込み一手で安定しないが、それだけに一発を秘める。
クイーンCの大敗で一気に評価を落としたが、それなりの実績はある馬。
阪神外回りコースで、ハイペースになるようだと後方一気の突っ込みはありえない訳ではない。
【馬券と総評】
今回のキモはやはりレース展開だろう。
外回りで差し馬有利と見えながら、それゆえスローに陥り先行馬が残る阪神コース。
しかし、G1ではペースが上がり、なかなかそうもいかない。
ゆえに、トライアルでの実績を簡単に結びつけ難いという困難さがある。
となると、やはり阪神JFの実績を素直に信頼することが一番賢明な選択となる。
単の魅力はリトルアマポーラに分があるが、その点においてトールポピーとオディールを中心視したい。
馬券は3連単から。
トールポピーとオディールの2頭軸マルチながし、押さえにトールとリトルの2頭軸マルチながし、3強がらみは40倍程度なので、トール、オディール、リトルの3強ボックスを重ねる。
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