■　第49回　宝塚記念　結果

　中距離で逃げ切れることができるのは相当の強さの証明。
それを得意パターンにしているエイシンデピュティが、うまく後続を引き付けて主導権を握り、並ばれた直線でぐいっとひと伸び。着差以上の強さをみせつけました。

　前に有利なペースでありながらも、猛追をみせたメイショウサムソン。
勝ちきれないもどかしさはあるものの、さすがに現役最強馬たる貫禄は十分みせてもらいました。
勝てなかったことは悔しいだろうが、今後もまだまだやれそうなレースぶりでした。

　３着には久しぶりに積極的に前にいったインティライミが３連複、３連単の波乱を演出しました。一時はアサクサキングスにかわされながらも、粘って粘って再浮上の３着を死守したことは称賛に値します。

　■　第49回　宝塚記念　予想

　なかなか骨っぽいメンバーが揃ったが、いかんせん頭数が少なく、ファン投票1位だったウォッカの不参加も響いて今ひとつ盛り上がりに欠ける宝塚記念。
昨年の菊花賞１、２、３着馬が勢揃いの上、そこにアドマイヤオーラが加わり、ダービーを牝馬にとられた4歳世代が、古馬筆頭格のメイショウサムソンに挑む。

　本命には随分迷いがあったが、結局、最も死角が少ないのがメイショウサムソン。
意欲的な調教をこなし、前走よりも状態はよさそう。そしてその前走では”らしさ”をみせる素晴らしい勝負根性をみせた。
この馬は最近は少しズブい面をみせつつあるので、前走よりも距離の短い阪神の2200mで上がり勝負になると大敗も考えられる不安があるが、直線短い内回りコースが相殺してくれそう。
重馬場適性もあるので、天候も気にならない点も強み。
とにかく馬にやる気があり、ひとたび叩き合いになれば、古馬筆頭格として、4歳馬には負けられぬ。

　おそらく早め先頭からメイショウサムソンとの叩き合いが予想されるアサクサキングス。 しかし同じ展開で前走では力負けしてしまった。 その点で、どうしても魅力が半減してしまう。
確かに今回揃った4歳勢は間違いなく強いが、そのメンバーを相手に菊花賞を制し、G1レースで一線級古馬と互角以上に渡り合ったのはこの馬のみ。
最も安定感があるといえ、対抗格としては文句ない。
ただ、本命馬と同じくスローペースによる上がりの競馬になると、伏兵に脚を救われる可能性も否定できず、さらに当日の馬場も若干不安材料ではある。

　今回最も勢いのある馬になるのがアルナスライン。
休養明け初戦のメトロポリタンSでは、驚愕の時計を叩きだし、次走の目黒記念においてはホクトスルタンにはうまく逃げられたものの、内容としては勝利に等しい横綱相撲を披露した。
実績はやや乏しいが、G1でもなんら見劣りなくこのメンバーでも十分胸を張れる存在。
どの位置からも競馬をすることができ、期待に沿えるレースを見せてくれるだろう。

　アドマイヤオーラの巻き返しが恐い。
金鯱賞では出遅れ響いて人気に応えることができなかったが、海外帰りの初戦としてはまずまず。
上記3頭や他有力馬とは異なり、スローからの上がりの末脚に自信がある中距離タイプで、展開さえ向けば、まとめて差しきる能力もある。
母がビワハイジではあるが、父と母父カーリアンの血が補ったのか、この距離はむしろ結果が出ている。
昨年のアドマイヤムーンと同じような再現も想像するに堅くない。

　半年遅れのため、斤量が1キロ減のロックドゥカンプ。
前走は遅れをとったが、休養明けとしては上出来。
先行、差しと自在のタイプで、この鞍上なら、非常に乗りやすいだろう。
4連勝して一気にG1レベルまで駆け上っただけに、その能力に疑う余地はない。
同じ様なタイプの有力馬が多いだけに、思い切って後方からの競馬を試みた方が良い結果が出そう。

　上記5頭は実力、安定感とともに甲乙つけがたく、それゆえ他馬には手が出しにくい状況。
目を広げれば可能性のある馬がかなり考えられるが、一頓挫明けでもとにかく切れるカンパニーと、馬体重が心配ながら、中距離なら安定感のあるエアシェイディまでを圏内とする。

【馬券と総評】
　 今回は頭数が少ないため非常に難しい。
多くの馬にチャンスはあると考えられるが、ひとまずメイショウサムソンと4歳4強には、いずれも地力と安定感があり、大敗が考えにくい状況。
ここからの絞り込みが難しいが、メイショウとアサクサの実績を優先したい。
もう少し穴を狙いたいところだが、馬券はメイショウ-アサクサの2頭軸マルチながし。◎-△までのBOXを押さえにしたい。
BOXで押さえない場合は、サクラメガワンダー、ドリームパスポート、エイシンデピュティまでもヒモに一考。