予想本文
梅雨前線の停滞で当日の雨も予想されたが、どうやら中休みらしく、当日はなんとか良馬場で施行できそうな今年の安田記念。
このレースは、他のマイルG1よりも特殊な傾向があり、思わぬ波乱が何度も起きている。
東京コースで展開による紛れは生じにくいが、どうも肝心の地力部分において、人気と一致しない傾向がある。
今年も、短距離既成勢力に、香港勢が加わり、牝馬であるウォッカも参戦。
従来の短距離界のレベルがどの程度かを掴むことが、ポイントとなりそう。
昨年、このレースで大敗したスーパーホーネットは、1年を経て目覚ましい充実ぶり。
今や短距離界のエース格にまで成長した。
特に33.0の末脚で差しきった前走は圧巻。
追い込み馬では届かない可能性もあるが、中団からレースを進められる点も強み。
前走後はそのまま早めの美浦入りという点も、輸送に不安はなく好感が持てる。
不安点は、やはり東京のマイル戦という点。
他のマイル戦より、スタミナを消費するコース設定。
G1の厳しい流れでも、これまでと同じ力を発揮できれば、鞍上へのG1初勝利をプレゼントすることも可能だろう。
前走、ヴィクトリアマイルCでは、伏兵エイジアンウインズに足元をすくわれたものの、さすがの強さを見せつけたウォッカ。
東京コースではこの馬の力が発揮出来ることは、十分に証明してみせた。
さらに今度は過去、連を外したことがないマイル戦となれば、牡馬相手でもヒケはとらぬ。
最近はそうでもないが、このレースは本来、牝馬には相性が良く、キレのある中距離型牝馬が好走した例が幾度もある。
新しい鞍上とのコンビも見もの。
ただ、前走はギリギリの馬体重。連続の遠征となり、その点には注意したい。
地力は最上位ながら、いまひとつ波にのれないスズカフェニックス。
勝ちきれない原因はやはり、その脚質にある。
最速の末脚を駆使するも最後方からでは、2、3着が精一杯というレースが続いたが、この舞台なら話は別。昨年は5着と敗れたが、ダイワメジャー、コンゴウリキシオーという前残りの競馬だったことを踏まえれば、よく追い込んだと言える。
過去最高の調教過程を経て、臨戦態勢は十分。
気性面にはまだ不安を残すが、確実に差し込める以上、3着以内という条件での信頼度はかなり高い。
近年のこのレースでの香港馬の活躍は、もちろん香港競馬のレベルアップもさることながら、日本国内の短距離馬のレベル低下も原因。
加えて、アジアマイルチャレンジにこのレースが加わり、香港陣営の本気度も異なってきた。
昨年このレースで大敗を喫したが、以降連勝街道を驀進しはじめたグッドババが再来日。
昨年の大敗とはいえ、外国馬では最先着を果たしている。
未知の不安は確かにあるが、馬っぷりをみても昨年とは明らかに異なる。
おそらく、昨年以下のレースとはならないだろう。
東京マイル戦なら、休養明けでもエアシェイディが恐い。
中距離戦では、好位付けの馬だが、この距離ならおそらく後方から直一気の競馬。
追い込みはスズカフェニックスがいる以上、なかなかに困難を極めるが、その決め手はそれほど劣ったものではなく、上位食い込みの可能性はある。
人気も手頃で連下には是非組み込みたいところ。
同じく香港からの参戦となるアルマダ。
上記グッドババには3戦3敗と分が悪いが、むしろこの馬の方が速い流れの日本競馬向きの可能性もある。グッドババより前目の位置が予想され、出し抜けは可能。
ただ、こちらに来てからの調教過程がほとんど何もしていない状態。
太目感も残り、仕上がり具合には不安点を残す。
ただ、マイル戦での堅実性は素晴らしく、オッズ的にも旨味はある存在。
新進気鋭のオーシャンエイプス。
500万から一気にオープン勝ち上がった勢いは、やはり無視できない。
途中、重賞のダービー卿CTにおいて一頓挫あったものの、言い訳の効く敗戦だった。
その末脚は他馬と比べても遜色はなく、速い流れへ対応できるという条件つきながら、上位食い込みは可能とみる。
ニシノマナムスメは、マイラーズCの秀逸さから期待された前走だったが、理想的な形で競馬を進めながらも、凡走といえる内容。
さらにメンバー強化で強きにはなれないが、時計がかかるようなら、カンパニーに食い下がった勝負根性が捨てきれない。
穴では、ドリームジャーニーを見直したい。
前走は少し負けすぎの感があるが、一叩きされ上々の仕上がり。
距離への対応には大きな不安があるものの、成長力に富む血統で混戦になれば面白い存在。
他では、キストゥヘブン、エイシンドーバーくらいまでが圏内か。
【馬券と総評】
冒頭でも述べたが、今回は既成の短距離勢力に加わる海外組と、ウォッカを筆頭とする別路線組との力関係の判断が大きなポイントになる。
短距離組では、ほぼスーパーホーネットとスズカフェニックスの2強は確定しており、今回も中心になることは否めない。スズカの力を認めるも、現在の充実度と、より前で競馬ができる点を買ってスーパーホーネットを中心視する。その間に割って入れそうなのがウォッカ。前走の敗戦はマイナス材料ではあるが、馬体回復すれば鞍上の手替わりを含め楽しみが増す。
香港馬の力量がいまいちつかめないが、実績的にもそう無様な競馬にはならないだろう。
荒れるレースだけに手を広げればかなり混沌としてくるが、概ね上位馬の力量は信頼できそう。馬券はスーパーホーネットから。相手をウォッカに絞り、3連単2頭軸マルチながしを本線。押さえでスーバーホーネットのマルチながしで、上記△までの4頭。
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