■　第60回　阪神ジュベナイルF　結果

　ブエナビスタが評判通りの実力をみせ、圧勝しました。
G1でも臆することなく、直線は遊びをみせるほどの余裕。
2着のダノンベルベールも実力を発揮しましたが、さらにその一段上の地力を見せました。
おそらく来年もこの馬を中心に牝馬戦線は展開されてゆくことでしょう。

　珍しく（というか初めて？！）3連単を◎○▲できれいに当たったのですが、１、２着は抜けていたので、正直3着を当てる競馬でした。
そんな中、前残りを予想してのものだったのですが、意に反してミクロコスモスがすごい伸びで3着入線しました。この馬もまだ2戦目ということを考えれば、先が楽しみです。

　■　第60回　阪神ジュベナイルＦ　予想

　とにかく1番人気が来ない荒れるレース、阪神ＪＦ。
もちろん2歳若駒、しかも牝馬なのだからある程度は当然なのだが、これまでは京都から坂のある阪神へのコース変わりと距離延長の影響が大きかった。
しかし、阪神の外回り新設後はある程度傾向はしっかりしており、距離をこなせる差し馬に有利な傾向。スピードを活かして先行する短距離馬では苦しいと思われ、これまでも特に直前の重賞であるファンタジーＳ組勝利馬が人気しており、それが期待を裏切ってきたことが波乱の要因でもあった。そろそろファンタジーＳはこのレースへの連動性は乏しいことが明白になってきており、今回の人気も別路線組が上位を占めている。
本来波乱の少ないコース設定だけに、ある程度は実力通りに決まるだろう。
ただ、その肝心の実力が未知数でもある2歳牝馬戦。
一概に堅く収まるとも考えにくい背景も依然残っていることは変わりない。

　1番人気だけに悩んだが、単勝オッズ3倍程度なら、逆においしいとみてブエナビスタ。
地力なら、このメンバーでは数段上にいる存在だろう。
新馬戦は3着に敗れたが、リーチザクラウンと互角の競馬。
その末脚の破壊力は間違いなくG1級のものだった。
1800ｍを経験していることも好感で、初戦の出遅れは気になるが、2歳牝馬にしては安定した気性であることも強み。
当然の楽勝だった前走で、確かにまだ1勝馬である危険性はないとはいえないが、まともに走ればこのメンバーでもそう苦になる相手ではないだろう。
恐いのは阪神外回りとはいえ、スローペースになった場合。
今回引っ張る相手がおらず、差し馬有利であっても、自ら動かなければ前残りは十分考えられる。

　対抗には、本命と同じく強烈な豪脚をもつダノンベルベール。
こちらも圧倒的2番人気かとも思っていたのだが、そうでもなさそう。
関東馬はとにかく牝馬G1レースには分が悪いが、早めの入厩で準備は万端。
距離も1200ｍで新馬勝ちではあるが、ペースについて行けなかったことから、短距離馬という懸念はない。またすでに3戦しており、その足跡から見る安定感は本命馬より上。
出負けする癖と、エンジンのかかりが遅いところがネックだが、阪神の外回りコースならそれほどは気にならないだろう。
ただし、本命馬と同じく、前が止らないとあまりゆっくりもしていられない。
勝利するためには仕掛けどころが肝要となる。

　1勝馬だが、ミクロコスモスにもセンスを感じた。
阪神の外回りコースだが、今回は有力馬は軒並み差し馬。
G1だけにそうスローにはならないが、前で競馬ができることは今回は大きな武器になる。
ペースが落ちて抜けだしを計れるなら、初戦で出した上がり33秒台の脚が脅威の対象。
阪神の坂も苦にならないタイプに思え、どこまでやれるかは未知数の部分はあるが楽しみな部分も多い。

　人気的にはワンカラットも面白い。
ファンタジーSが波乱になったのは、1400ｍ戦にも関わらずスローになり、内をうまく回った馬が上位を占めた結果。それだけにこのレースでの好走はあまり大きな評価になりがたいが、比較的前で競馬ができ、器用さがある点は強み。
鞍上も岩田騎手で、混戦になればなかなか面白い存在。
重賞を3戦経験し、大レース慣れしていることも強み。

　他馬の力関係が難しいところだが、ジェルミナルの安定感と力強さも有力の一角。
2年前のウォッカ、昨年のトールポピーと、黄菊賞組が勝利している。
それがオッズに反映して、かなりの人気ではあるが、実際牡馬を相手に1800ｍで勝利しているのは大きく、阪神外回りの1600mなら、確かにファンタジーSよりも連動性が高いこともうなずける。
また気性的にも不安がなく、落ち着いたレースぶりには安心感が持て、大物感が漂う。
外枠もこの馬にとっては競馬がしやすい枠と言え、後は、本命馬の爆発的な末脚をどう封じることができるかが、ポイントとなりそう。

　ファンタジーSで最も強い内容を見せたのはルシュクル。
スローで先行馬が残る展開で、大外から猛追を見せた。
これが阪神だったら…と思わせる内容で、非常に恐い存在。
血統的にはどうみても短距離馬で、距離的な不安はあるが、鞍上変わっての変わり身がそれを打ち消す可能性も十分ありえる。

　アディアフォーンは阪神コースを経験しており、勝ち味に薄いが、相手なりに走る堅実さが光る。こういうタイプが連下に入ってくることは過去何度も例があり、相手は揃ったが、混戦になれば連下には十分食い込む可能性がある。
人気的にも盲点に位置しており警戒が必要。

　今回、控える宣言もしているコウエイハート。
前走は完全に目標にされた形ではあったが、他馬に行かせる形がとれればあっと言わせることもありえるかもしれない。
また、差し馬がこれだけ揃っているため、逃げ残りも考慮し、一票投じたい。

【馬券と総評】
　 ブエナビスタ、ダノンベルベールの2強構成かと思っていたのだが、さすがにこれまでの波乱傾向が警戒されているのか、予想より人気は割れており、だったら…という見解。
ただし、確かに2歳牝馬戦だけにどの馬にも可能性はあり、ヒモには相当手広く行きたい。
スローの前残りでの波乱なら仕方なしと踏み、ブエナビスタ、ダノンベルベールの2頭軸マルチながし。
相手は印をつけた馬以外にも総流しくらいの勢いで。