予想本文
京都コース外回り2200mに変更後、波乱は非常に少なくなり、すっかり堅いG1と化したエリザベス女王杯。このレースの特徴としては、やはりかつてクラッシック戦線主役だった古馬牝馬の返り咲き。牡馬一線級と戦い大敗してても、牝馬同士に戻って圧勝することは過去何度も証明されている。馬券的旨味を探すならその点ではあるが、世代間の強さの見極めもポイントとなる。
1番人気でもやはりカワカミプリンセスは不動か。
昨年のこのレースで圧勝にもかかわらず降着後、牝馬同士のレースも含め未勝利ではあるが、前走のレースぶりで復調ぶりを証明してみせた。
敗れはしたものの自ら動いての横綱相撲で、ここに挑むにあたっての不安は一掃できる内容だった。
過去の実績からも地力最上位は明かで、その上差し、追い込み馬が中心のメンバーでの先行できる点は大きな強みと信頼感を与える。
他馬に足元を掬われる可能性がないわけではないが、複勝圏内ということを考えれば不動の軸といえるだろう。
本来はこの馬を本命にしたかったベッラレイア。
すっかりウォッカとダイワスカーレットには水をあけられたが、元々はこの馬を加えた3強だった。両馬がいない今、最強牝馬世代代表として負けられぬ一戦のはず。
前走、カワカミプリンセスには完敗の形ではあるが、位置取りの差が大きく、実際上がりタイムは上回っている。今回一叩き後の上積みもこちらの方が大きいだろう。
人馬とも初G1のタイトル戴冠の最大のチャンスではあるが、問題は当日の馬場とメンバー構成。
渋った馬場での最後方からの追い込みは、いくら京都外回りコースでもかなり厳しい。
今回のメンバーは差し馬が中心。重馬場だったマーメイドSの大敗も踏まえると◎の印はどうしても打てなかった。
今年は3歳世代のレベルはまだ未知数。
その中でやはり気になる存在はリトルアマポーラ。
春クイーンCで見せた豪脚は一発だけのものだったのかと1番人気の期待を裏切ったオークス。
しかし、前走秋華賞で休養明けながら再びすごい脚を見せた。
この馬も上記ベッラレイアと同じく、最後方ゆえの不安要素を抱えてはいるが、3歳世代の中では最も食指が動く。また鞍上がルメール騎手ということもその期待に拍車をかける。
外回り京都コースでうまく流れに乗れれば単まで十分考えられそう。
勝てはしなかったものの、3歳世代の秋はレジネッタでもトールポピーでもなく、ムードインディゴが引っ張った。
奥手のタイプに加え、さらに今回の距離延長でまだ伸びしろが期待できる。
夏のクイーンSで古馬には完敗だっただけに、この世代のレベルには疑問が残るが、今の調子なら、そう大崩れはなさそう。
大人気の超良血馬ポルトフィーノ。
この原稿を書いている時点で単勝2番人気。いくらなんでも人気先行しすぎだろうとは思うので、大きくは推せないが、3連単を考えればやはり無視もできない。
期待を一身に集めたアーリントンCで気性の悪さを出して大敗し、クラシック戦線には乗れなかった。その後休養を挟み、復帰戦の準OPを勝ち上がることで、秋華賞は除外されたものの、なんとかここに駒を進めることができた。
春までの気性ではどう考えてもマイルがベストでこの距離は辛いと思われたが、前走清水Sでは見事な折り合いでスピリタスとの叩き合いを制し、その気性面の成長はこの距離でも…と思わせるに十分な内容だった。
人気を嫌って評価を下げてはいるが、十分有力馬の一頭であることには違いない。
中距離で叩き合いになれば面白そうなのがビエンナーレ。
新進気鋭の三浦騎手が駆るので、人気を背負うのが難点ではあるが、差し馬中心の中で、先行できる点が大きい。
牝馬のレースはおしなべて関東馬は振るわないが、ここ最近はそうレベル差も感じないようになってきており、父ステイゴールドと同じく、混戦の叩き合いになれば面白い。
さすがにレベルが大きく異なってくるが、アスクデピュティも条件戦2連勝で波に乗る。
下級条件戦ではあるが、そうタイム的にも悪いものでもなく、鞍上が岩田騎手だけに警戒は必要。
後は外国馬2頭を押さえたい。
トレラビットは安定感があり、なにより陣営の本気度が伺える調教内容だった。
ただ、日本の高速馬場に対応できるかは疑問が残る。
フェアブリーズもこの距離は得意距離ではあるが、日本のエリザベス女王杯は、すでにオペラ賞レベルには匹敵していると考えられるだけに、前走の大敗は気になる材料。
【馬券と総評】
やはりトータル面でカワカミプリンセスの優位は動かない。
以下も古馬有力馬と3歳実力馬の比較的堅い馬券で収まりそうな雰囲気がある。
問題は当日の天候と馬場で、当日の天候次第では波乱もありうる。
また、外国馬についても今レースの日本馬メンバーのレベルが微妙であるだけに一応ないとは思うが、押さえには必要か。
カワカミの相手はベッラレイアとし、3連単2頭軸マルチで勝負。
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