■　第64回　菊花賞　結果

　ネオユニヴァースの３冠ならず。勝利したのは長距離実績を誇るダンスインザダーク産駒のザッツザプレンティ。この馬は切れる脚がないので、スローペースの瞬発力勝負に分が悪いとみていたが、そこはさすがにアンカツ騎手。見事としかいいようのない、手綱捌き。予想より速くなった流れも後押しして、３コーナーからマクリ上げるこの馬の特性を活かす好騎乗。

　一方、本命ゼンノロブロイはどうしたか？位置取りがやや後ろすぎたこともあって、直線捌くのに苦労した模様。ただ、この敗因はそれだけではなく、微妙に3000ｍという長距離が堪えたようにも見えた。

　ネオユニヴァースは1着を狙っての3着だから、仕方がない。むしろ差して2着に入ったリンカーンを褒めるべきだろう。サクラプレジデントは懸念の折り合いに随分苦労した。これではさすがに大敗はやむを得ないか。

　■　第64回　菊花賞　予想

　牝馬戦線ではスティルインラブが見事３冠達成をした。牡馬戦線ではネオユニヴァースが３冠に挑む菊花賞。しかし、予想に反してトライアル戦の神戸新聞杯では、ゼンノロブロイが圧勝した。２着との３馬身差は強烈な強さ。確かに血統的に長距離に不安を残すものの、もともと2200ｍ〜2400ｍを中心に使われており、気性が非常に安定している。速い上がりをもっているので、スローペースは大歓迎の口で、鞍上もペリエ騎手に強化されたとあっては、本命視は仕方ないだろう。まず間違いなく、安定したレースを披露すると思われるが、他馬有力馬もこのまま黙っているとは思えない。真の強さを問われる一戦となる。

　対抗格にはリンカーンに期待してみたい。本命ゼンノロブロイに対し、ネオユニヴァースやサクラプレジデントらは、前走で決定的な差を開けられた。それに対し順調さを欠いていたリンカーンの４着は多いに期待できる着順だった。ゼンノロブロイに勝利した足跡も持っており、ケガがなければ、クラシック候補の主力であっただけに、その伸びシロに一票投じたい。

　次いではやはり３冠トライのネオユニヴァース。前走は敗れたとはいえ、ひとまず形をつくる事ができた。鞍上に２冠を制したデムーロに戻り、直線勝負の叩き合いは前走を上回る事は必至。G1ホースの地力を発揮するか？

　サクラプレジデントは気性の悪さを残す。それゆえ3000ｍのこの距離ではやや不安が残る。それでも鞍上が鞍上だし、その当たりはうまく捌いてくるか？スローペースの瞬発力勝負なら、この馬も決してヒケはとらない。後は位置取りで、あまりに後方からだと届かない可能性も残す。

　上記４頭の力は抜けており、実力もほぼ互角。流れ次第でどれが勝利するかは微妙。配当的に旨味は少ないが、軸安定視できるゼンノロブロイからの厚めの流し。勝負はリンカーン。押えにこの４頭のBOX馬券。一気の距離延長で波乱の可能性はないとはいえないが、極端なハイペースにでもならない限り、それほど荒れる事も考えにくい。