予想本文
古馬と3歳馬の力の評価がまだわからないゆえに、その判断が予想のポイントとなるエリザベス女王杯だが、今年に関しては3歳馬の力はかなりあると見ていいだろう。その中で3冠を制したスティルインラブには敬意を払わなければならず、やはりこの馬が中心になってくる。さらに、その3冠レースですべて一番人気だったアドマイヤグルーヴも同様。ただ、大将格のファインモーションはいないとはいえ、古馬陣もなかなか骨っぽいメンバーが揃ってきた。面白みには欠けるが、3歳牝馬2強に対し、古馬有力馬がどこまで力を見せるかが、このレースの構図になる。
スティルインラブはかなり3歳馬とは思えない完成された走りをする。強烈なインパクトはないのだが、安定した末脚を持ち、展開にも注文がつかない。言葉は悪いがいわゆる「つまらない走り」をする馬であるが、裏を返せばしっかりとした強さを持っているとも言える。まず安定した走りが期待できるので、必然的に軸筆頭。
一方でアドマイヤグルーヴがよくわからない面を持つ。もの凄い切れ味をみせたかと思えば、次のレースはじりっぽさを見せたり、かなり騎手泣かせの馬なのだろう。鞍上が武豊騎手でなければ、この成績はなかったかも知れない。スティルインラブとは勝負付けは済んだとも言えなくもないが、京都外回りの2200mという舞台はこの馬の方が恩恵を受けそう。その一点に期待したい。
古馬陣は本当はもっと上位に評価したかったが、やはり総合力で上記3歳2強にはやや劣ると言わざるを得ない。しかしその中でも、ダイヤモンドビコーには旨味を感じる。近走の成績はふるわないが、このレースは牝馬限定戦。ここであっさり力を出す可能性は十分にあり、このエリザベス女王杯というレースでの一番のポイント。仕上がりもよく、衰えていないのなら、ここで好勝負の可能性は高い。スマイルトゥモロー次第の面もあるが、ペースが遅くなりそうなのも歓迎材料。
ダイヤモンドビコーとは対照的にレディパステルは格下相手に順調に勝ち上がってきた。それゆえ人気的にも少々狙いにくいが、無視もできない。もう少し距離が欲しいところだが、ペースは落ち着きそうなので、時計がかかるようだと、持ち前のレース上手を発揮できる。
穴っぽいところで、トーワトレジャー。この馬もこれくらいの距離の方がレースがしやすいはず。前走は休養明けで、上積みは間違いなくあり、うまく先行できる流れになれば、粘りをみせるかも知れない。
基本的にはスティルインラブ、アドマイヤグルーヴの2強にダイヤモンドビコー、レディパステルの古馬2強が挑む4強争いとみる。3歳ではヤマカツリリー、古馬ではローズバドの有力馬がいるが、前者は勝負付けが済んでおり、後者は展開に疑問があるので、今回は見送りたい。それよりも穴要素の強いトーワトレジャーを加え、5頭でのBOX馬券が最も妥当なところ。3歳2強もポカがあるので、特に上位4頭に関しては、本当に展開ひとつだろう。
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