■　第34回　高松宮記念　結果

　勝ち馬よりも、むしろデュランダルの追い込みが見応えのあるレースとなった。４角まわって未だ最後方という位置から、あの中京の、たかだか300ｍくらいの直線だけで前を捕らえたのは見事につきる。さすがに勝利するには至らなかったが、十分に力を見せたといえるだろう。

　勝ったサニングデールも終始無駄のない競馬をすることができた。うまくバラけてくれたのも幸いしたが、それでも外へ出すタイミングは鮮やかだった。勝つべくして勝ったと言えるだろう。

　概ね堅い結果となったが、大外枠にもかかわらず３着入線のキーンランドスワンはよくやったと言える。最後は果てたが、ギャラントアローも十分に見せ場を作った。先行勢には厳しい流れだったが、テンシノキセキは案外でした。それなりに力は見せているんだが…。

　■　第34回　高松宮記念　予想

　通常、1200ｍでのレースでは、基本的には逃げ、先行馬が有利。
しかし、G1レースになると、とたんに流れが厳しくなり、一転して差し馬有利となる。
条件戦の短距離戦で安定した成績を残している先行馬が、G1ではとたんに大敗してしまう。こういった傾向が顕著に見られるのが短距離G1戦。この高松宮記念においても同様で、小回り平坦コースの中京で施行されるにも関わらず、やはり差し馬に有利な傾向がある。しかし、秋のスプリンターズSに比べれば、随分マシと言え、極端な逃げ馬よりも極端な追い込み馬の方が不利と言えるだろう。

　そういった背景の中で、実績断然のデュランダルの取捨が微妙になる。確かに随一の切れ味を持つ馬だが、本来はマイルくらいの、もう少し距離があった方が持ち味が生きるだろう。この中京コース、1200ｍで追い込むには並の末脚では届かない。早めに仕掛ける必要があるも、直線が短いため、そのポイントは３コーナーくらいからになる。それゆえ、外からのまくりになることは間違いなく、そのコースロスがどの程度かということが、今回の予想のポイントになりそう。

　ここは本命にはサニングデールを据える。デュランダルよりも前に位置することができ、かつ激しい先行争いも避けることができる絶好のポジションがとれそう。内枠を引いたのも好材料で、最近の復調ぶりが本物なら前が詰まるような不利でも受けない限り、好勝負が期待できそう。

　テンシノキセキもようやくG1のタイトルが見えてきた。先行馬の中では一番力があるといってよく、その安定感はG1でも大きく崩れることがないのは強み。まるでここに照準を合わせているかのように、ここのところ控える競馬を試みているのも不気味。ここはかなり狙ってきているという本気度を買いたい。

　デュランダルは３番手評価にした。もちろんあっさり圧勝してしまう可能性があるが、この馬にとって、短距離G1の中で最も厳しくなるのがこのレースであることは間違いない。ましては休養明け。人気を集めるようなら、見送ってしまっても面白いかもしれないが、メンバーがやや手薄で強敵が見あたらないだけに、無視まではできない。

　ギャラントアローも内枠を引いて、この馬のレースができる。おそらくハナを切ることになるが、行ききれば怖い。展開が向く必要があるものの、注意が必要とみる。

　サクラタイリンはまだ底が割れたとはいえない未知の可能性がある。条件戦で差して勝利してきているだけに、ここでも大敗することは考えにくい。あとはこの馬の底力がどれほどのものかが問われることになる。

　今回は比較的上位陣の争いとなり、それほど荒れる要素は見あたらない。問題はデュランダルの戦法がどのようになるかという点につきる。この馬の仕掛けどころいかんによって、大きく展開は変わってくるが、おそらくは従来通り追い込みで、やや早めに仕掛けてくるだろう。サニングデールがうまく内を捌ければ、いい勝負になってくる。馬券はサニングデールからの流し。一応、安定感のあるテンシノキセキからの流し馬券も押さえておきたいところ。