■　第64回　皐月賞　結果

逃げ宣言していたマイネルマクロスがダッシュがつかず、後方に。
コスモバルクは大外からゆっくりと中団待機。そしてしっかり折り合いがついた。
これで、予想されたミドル早めのペースが一気に落ち着いてしまった。
これでは今の中山では先行が残るのは明白。
速いペースを予想して最初から後方待機だったブラックタイドに出番はない。
ごちゃつきのない中団にいれば、見せ場はあっただけに、武豊騎手にしては珍しいミスとしかいいようがない。
勝ったダイワメジャーは実にスムーズに先行できた。マークの中心、コスモバスクが後方にいたのも功を奏し、あっという間に出し抜けを計れた。鞍上の手腕も見事ながら、中距離でのスピードという点でこの馬の評価は高まるだろう。
一番人気馬のコスモバルクは恥ずかしくないレースができたと言えるだろう。懸念された折り合いもうまくついていたし、十分ダービーでも楽しみな内容だった。今回は権利が取れたことが何より大きい。

　■　第64回　皐月賞　予想

　ハルウララで地方競馬は盛り上がりを見せてはいるが、今ひとつスターホースが不在の中央競馬に、地方からコスモバルクが殴りこみ。脚質は違えど、オグリキャップを彷彿させる勝負根性は間違いなく大レースでも通用する下地。ラジオたんぱ杯、弥生賞と王道ローテを勝ち進み、誰も文句のない主力メンバーになった。個人的な希望を言えば勝って、大いに盛り上がりを見せてほしいところ。
　
　 それでも予想はシビアに、ブラックタイドを本命に据える。比較的スローペースが多かったトライアルだったが、この本番を迎えて、メイショウボーラー、コスモバルクと先行馬に強いところが集まった。当然、後続馬に目標とされる展開で、絶対にスローペースはありえない。その中では安定した末脚の期待できる同馬に旨味が増す。道中のごちゃつきは心配あるも、そこは鞍上も万全を配した。並んだらしぶといコスモバルクだが、並ぶ間もなくかわすことができれれば勝利は濃厚。
　
　 対抗格に下げたとはいえ、いくらなんでもコスモバルクをこれ以下の評価にはできない。調教においても僚馬をあっという間に置き去りにし、10馬身以上も突き放した。卓越したスピードを勝負根性は一級品。しかしそのスピードと勝負根性の旺盛さが逆にどうしても先行せざるを得ない脚質を作り上げた。おそらく当日は初の一番人気の大舞台。同型の快速馬メイショウボーラーの存在と、大外枠。かかる気性をいかになだめて、スムーズにレースをすることが重要になる。ただ、目標にされる不利はあるといっても、逆に先行馬にはごちゃつく心配がない。不利を受けるということはおそらくないだろう。
　
　 前走折り合いを欠いて大敗を喫したミスティックエイジ。前走が度外視できるなら、人気的にもおいしい存在。コスモバルクに勝てるのはおそらく切れのある差し馬が予想されるだけに、この馬にもブラックタイドと同様の有利点がある。
　
　 フォーカルポイントもスローペースに苦しんだが、ここはペースが速くなるので、チャンスが出てくる。前が喧嘩でもしてくれれば、ますます好都合で、たとえ中山コースでも直線で一気に台頭してくる可能性は十分にある。
　
　 メイショウボーラーは本来この評価にとどまる器ではないと思われるが、スピードだけで、この中山2000ｍを乗り切るには少し難しそう。前走はうまく自分のペースでレースを進めることができたが、コスモバルクにきっちり差されてしまった。他馬がコスモバルクを目標にしてくるだけに展開的に思い切った手に出るしか勝ち目はない。つまり、思いっきり引き離すか、あるいは後方からレースを進めるか…。自力はあるので、展開がはまれば好勝負も。
　
　 ハーツクライはもう少し距離があるところで見てみたい気がする。どちらかといえばダービー向きか。厳しい流れのスタミナ勝負には自信があるだろう。ペースが上がることで、他馬がついてこれず脱落していく展開になれば、連下には十分圏内と見る。
　
　 一発大穴でダイワメジャー。ダート戦線からいきなり芝の重賞で成果を見せた。いかにも中距離向きのスピードタイプの血統と鞍上強化で、一発は考えられる。
　
　 予想としてはなかなか難しい形。力のあるコスモバルクにまだ不安点があり、かといって他馬で強力に推せる馬も見当たらないといった現状で、どうしても展開頼みになる。そうするとやはり、やや早めのペースが予想され、コスモバルクにはこれまでで一番苦しい競馬になるだろう。かといって他馬も速いペースは未経験の馬が多く、そのあたりが不透明感を増長させている。オッズ次第で買い目も変わってくるが、基本的には１番人気予想のコスモバルクを少し敬遠する買い方が賢いか。馬券的には上位BOXと安定感からブラックタイドの流しを押さえで。