予想本文
頭数は少ないものの、粒ぞろいのメンバーでなかなか面白いレースになった。春の総決算となるこのレースだが、ここまでの背景は、なかなかレースを混戦にしている。人気投票の1番人気が天皇賞・春13着のリンカーンであったことからもそれは伺える。天皇賞・春では極端なスローペースになり、有力馬が力を出せなかった。安田記念、金鯱賞組を含め、どの馬にもチャンスはありそう。とはいえ、過去大きな波乱がないように、このレースは力勝負の一面もある。先行馬が揃い、坂のある阪神コースの中距離。それなりに速いペースが予想され、並の馬では勝ちきることはないだろう。
そこまでを踏まえた上で、敢えてシルクフェイマスを中心に置く。正直この馬は少なからず展開の利を受けて勝ち上がってきた馬。天皇賞では好走したものの、本当にG1級の力があるのかはこのレースで問われることになる。速い流れでも一定の結果を出せるかどうか。充実一途な5歳馬。ここを勝ち切るようなら、混戦ぎみの古馬戦線の主役に一気に躍り出るだろう。
本来なら本命候補には間違いなくこの馬であろうゼンノロブロイ。もともと中距離向きのはずのこの馬が、前走では不利な流れから積極的にレースを進め、2着に入った。大敗した有力馬が展開を言い訳にしている中、あのレースぶりは評価に値する。前走より有利な今回のコース体系では、あの安定感は信頼できる。ただ、問題はG1を100連敗している田中騎手。今回は勝利させるための調教師の温情を感じるだけに、それに報いてみせるか、やはりジンクスに勝てないのかが、ある意味ではポイントとなる。
あのサイレンススズカのレコードを破ったタップダンスシチー。有馬記念での大敗で主役になり損ねたが、その力は決して衰えていないことを証明した。事実、現役馬の中ではこの馬が一番力があるかもしれない。ただ問題はレース展開にやや注文がつくこと。最近は折り合って先行も可能だが、やはり前でチョロチョロされ、ペースも速くなってくると少し不安が出てくる。そのあたりで少し印を譲った形。
ツルマルボーイも引き続き。2年連続の2着は無視はできず、決して向いているレースとは言えないが、何とか我慢してくれる範囲。当日の雨も心配だが、前走の走りっぷりを見る限りこれも我慢してくれそう。例によって有力馬に先行タイプが多く、こちらは有利点。不安点と有利点が同居するが、どちらに転ぶかがみもの。
リンカーンは前走はまるでレースにならなかった。長距離に不安があり、あのスローペースでは力を出し切れなかったのも言い訳はつく。とはいえ、もう少しなんとかならなかったかと言えるふがいなさではあった。今回は巻き返しを切実の想いで計ってくるところが怖い。スムーズなレースさえできれば、その実力は一級品。
有力馬の実力が団子状態だけに、ちょっとした要素で順位はひっくり返るメンバー構成。しかし細かな順位は変わろうとも、概ね堅いところで決まる公算が高い。オッズによってその判断は微妙だが、当てに行くなら上位のBOX馬券でいいだろう。大きく当てたいならやはり1頭からの流し馬券が有効か。今回はシルクフェイマスを軸に勝負に出たが、安全策ならゼンノロブロイか。当日の馬場にも注意したいところ。
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